Featureサステナブル・ストーリー

サステナブル・ストーリー1

自然と地域と共存できる開発を

「港に現れた、近未来の王宮」
それは、新たなホテルづくりへのチャレンジでした

ラグーナベイコート倶楽部は、愛知県に本社を置くリゾートトラストが県内に初めて建設した完全会員制リゾートホテルです。前面に三河湾を望み、背面は山々に囲まれ、マリーナにも面しているこの立地を最大限に生かすべく、用地購入から建物竣工まで10年間もの歳月をかけました。今までクラシックなホテルを多く建ててきた私たちが、「Futuristic Luxury」というデザインコンセプトをもとに近未来を表現することは新たな挑戦でした。これから多くの方にご覧いただけることを楽しみにしています。

開発部⾨ 主事 小野 政一

リゾートトラストが考える環境設計

私たちが新規ホテルを造る上で、環境に対して大切にしていることが3つあります。
1つ目は、敷地内の森林の状態を把握すること。生息する高木を1本ずつ調査し種類や大きさ、生育状態を確かめます。その後、状態の良いものは移植を、伐採が必要な場合は可能な限り伐採した数以上の植林を行います。
2つ目は、省エネ機器を最大限に取り入れること。例えば照明は全館LEDを、電子機器は各分野で最も省エネ性能の高い「トップランナー機器」を採用しています。
3つ目は、地域との対話です。法令上の環境基準を守るだけでなく、自治体の担当者や地域の人々と話し合い、幾度となく計画を見直し、納得していただいたうえで開発を進めていくことを大切にしています。

環境保全と同時に開発コンセプトを実現したラグーナベイコート倶楽部

ラグーナベイコート倶楽部は、三河湾に面しているのが最大の魅力です。全ての客室をオーシャンビューにし、ホテルへ至るアプローチはあえて森をイメージしました。「森に囲まれていて建物の全貌が見えない」という空間を目指しています。森を抜けてエントランスへ入ると目の前に三河湾が広がるという驚きや感動を与えたかったので、大きな水盤を建物中央に配し海と一体的な空間を造りました。
この土地はもともと埋め立て地でした。そのため、一本も木を伐採することはありませんでしたが、広大な森にするべく1,700本もの高木を植え、森を一から造り上げました。
さらに、土壌の質が植物の生育に適さなかったことから、改善を行う必要がありました。敷地内の土を全て入れ替えるとなると、大量の土が廃棄物となってしまいます。それを防ぐために既存の土はそのままにして、その上に植物に適した土を盛りました。この盛り土で敷地全体を高くし、高潮対策にも対応しました。
植林用の樹木には、潮風に強いタブノキ、マテバシイ、カシ類などを中心に選定。さらに落葉樹や花が咲く木などの変化に富んだ樹木を植林することによって、自然の森を再現しました。その結果、市が指定する緑地面積率5%を大きく超え、約30%を緑地化しました。また、ホテル前の市道の街路樹も多くが傷んでいたため、市と相談のうえ、植え替えを実施しました。
また、お客様にはオープン時から森が完成した状態でお出迎えしたいという思いがあったので、樹木の生育スピードを考慮しました。オープン時にしっかりと緑が生い茂る森にするべく、植栽を前倒し、夏前には終えました。おかげでオープン時には敷地のあちこちで鳥のさえずりが聞こえ、多くの生き物が暮らす本物に近い森を造り上げることができたのではないかと考えています。

緑豊かな並木の先にある車寄せ。アプローチをはじめ、1700本を超える植林により、一から森を造り上げた。

美しい三河湾を守るための取り組み

スナメリは豊かな海の象徴とされ、自然環境や生態系を推し量るバロメーターとされています。そんなスナメリが生息し、地元の方々にも愛されている美しい三河湾を決して汚すことのないよう配慮しています。
今回のラグーナベイコート倶楽部において、三河湾との一体化を演出する大きな水盤には大量の水が必要ですが、水資源の保護のため、その水は循環ろ過によって常に浄化したものを再利用しています。水盤から溢れた水は調整池に流れるようになっており、そこで塩素などを除去しています。
水盤の水は、スパの水風呂を冷やすための冷却水としても活用しています。年間で約14,500kWh、一般家庭の3.3年分に当たる電力削減に役立っています。自然の池や湖と同じように、雨が降ると水が溜まり、晴天の日には蒸発しますので、周囲の森とともに敷地内の気温上昇を抑制する効果にも期待しています。

地域のランドマークを目指した美しく個性的な建物デザイン

ホテル事業は、地域の観光資源として重要な役割を担っています。特に今回はラグーナ蒲郡地区計画の一環として、ランドマークになるようなインパクトのある外観が必要だと考えました。30m以下という高さ制限を守りながら、より美しく、「波」をイメージした個性的な外観を追求したことで、この独特の建築デザインが生まれました。さらに、曲線を生かし、より柔らかな印象にするために、建物の両端を緩やかな階段状にしました。三河湾にせり出している建物中央部分は、お客様により解放的なイメージを持ってもらえるよう、宙に浮かせました。距離にして約120m、全30室の客室があるこの部分を支えるには、本来であれば太い柱が必要ですが、お客様がエントランスロビーで目にする光景を大切にするためにドームや橋などに使われるトラス構造を採用し、柱を細くすることでより美しい景観を実現しました。
道路、対岸、海…、どこから見ても美しいラグーナベイコート倶楽部の外観は、この地を訪れたお客様にきっと喜んでいただけると考えています。

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